03/10/9

　長時間のフライトを乗り継いでたどりついたブルガリアでの初日。首都ソフィアから120kmほど南にあるリラ山地のリラの僧院（修道院）を訪れました。10世紀に創建され、イスラム支配のもとでも、ここだけは黙認されて、中世のブルガリア正教の伝統をいまに伝えています。なぜか真四角でなく、二辺だけ妙に伸びた変形４角形の回廊に守られるようにして、内庭の真ん中に、方位も斜に構えて、変わった形の教会堂が建っています。聖母誕生教会です。ファッサードは白と黒、あるいは白と赤の横縞模様が印象的です。そこをくぐると、色彩豊かで素朴な絵柄のフレスコ画が、わっと目に飛び込んできます。教会内部は荘厳なイコンに飾られています。こんな山奥に、どのようにして、このようなものが生きながらえたのか。まるでファンタジーの世界に迷い込んだような気になります。