片づいた

01/06/09

やっと片づいた

　やっと引っ越し荷物の片づけが終わった。行き場がなく積んだままだった、段ボールの中身も、落ち着き先を何とか見つけ、納めた。畳んだままだった絨毯を、やっと書斎に拡げることができた。トルコで求め、姫路の仮住まいで愛用していたものである。もう一枚、最近の２度目のトルコ旅行で手に入れた方は、水戸に戻るまでパックしたままにしてあった。こちらの方は、引っ越し後すぐに居間に敷いた。今日初めて両方を見比べることになった。全く別のものを買ったつもりだったが、基調となる色が青みがかったグレーであるなど、自ずと好みが出て、似てしまうものだ。

　話は、絨毯のことではなく、片づけのことだった。スペースがなく、納めようがない。少し働くと、腰が痛む。風邪を引いたのが痛かった。一ヶ月は、ぐずぐずしてしまった。ぼつぼつと半年ぐらいかけて、始末をつけよう、と思っていた。しかし、明日からロンドンへの旅に出る。何とか一応のけりをつけよう。昨夜、ワイフのみやに宣言した。「明日は書斎に絨毯を敷くぞ」。いっこうに片づかない私の書斎の状況に、すっかりあきらめ顔だったみやは、半信半疑だった。でも、今日は共同作業で、一気に最後の仕上げをした。よかった。これで一つの時期を画し、心おきなく旅に出られる。

　さて、最近の生活ぶり、心境などを書いておこう。

　生来怠け者だったのだろうか、働きに出ないで済む、働かないでいい、ということが嬉しくてしようがない。働いているときは、週末を迎えることが格別嬉しかった。仕事に拘束されることなく、好きなことに時間が使える。その解放感がよかった。必ずしもボーっと、ぶらぶらするのではなく、何かをやる、それも集中してやるのだから、怠け者というより、束縛されるのが嫌いなたちなのだろう。今は毎日がその週末状態である。

　朝、目覚めると、そうだ、出かけなくていいんだ、と確認する。これがうれしい。朝ご飯もゆっくり食べられる。食後のコーヒーは大きなマグカップでたっぷり。これを飲みながら、サンルームのテーブルでゆっくりと新聞を読む。たっぷり時間を使って、記事をじっくりと読む。

　こうして始まる一日。なにをするか。どれだけの時間をかけてやるか。まったく意のままである。ちょっとしたきっかけで、何かを始めると、それにのめりこみ、気が付くとかなりの時間を使っている。それでもいい。そんなことを次々やっていると、知らず知らずのうちに一日が過ぎてしまう。誰に追われることもなく、スケジュールに縛られることもなく、好きなことを、好きなペースでやっていい。これは天国だ。

　こんな太平楽なことを書いては、今現在、厳しい仕事に取り組まれている方、ましてやリストラや倒産の瀬戸際で働いておられる方には、まことに申し訳ない。でも、仕事を辞めたあとにどんな生活があるか、不安に思っておられる方に、申し上げたい。退職後は楽しいと。経済的なゆとりがあるから、そんなことがいえる。そうかもしれない。しかし、退職後はシンプルライフ。質素に食べていければいい。

　考えようによっては、こういう、解放された、気ままな生活をするために、その前の何十年間、せっせと働いてきたのではないか。働いているのだけが人生ではなく、遊ぶのも人生ではないか（こういう気ままな生活を「遊ぶ」というとしてだが）。働くのは、遊ぶ人生に至るまでの、長い準備の時期なのではないか。定年を迎え退職すると、まるで人生が終わったかのように思う人がいる。考え次第では、まったく逆。そこからほんとうの人生が始まるともいえる。

　今、遊びといったが、これは、ブラブラと、なにもしないことではない。自分のほんとにやりたいことを、自分の好きに、遊び心でやることだ。けっこうエネルギーはいる。ストレスがないわけではない。ただ、自分で自分に課したストレスだから、それも楽しい。私の遊びぶりは、すでにこのＨＰを見ていただけば、わかっていただけるだろう。これからその遊びをますます本格化したいと思う。