02/6/11

スイス便り　１２

い よ い よ 晴 れ て く れ る か

　便りに書いてきましたように悪天候が続き、山は、そのどてっとした中腹以上の姿を見せてくれることはありませんでした。昨夜８時過ぎ、夕闇に暮れていく中で、突然、フィーシャーホルンが、その白い山頂を見せてくれました。ほんの一瞬のことでした。

　なんと神々しい姿なのでしょう。山頂は、こんなに高みにあったのだと、それを仰ぎ見る角度の大きいことに改めて感じ入りました。山は、確かにそこにあるんだ。ただ、雲がその姿を見えなくさせているだけなんだ。当たり前のことですが、なんだか「存在」の深みに触れたような気のする時でした。

　画像で右側は、アイガーの東壁。左の稜線はメッテンベルクです。その狭間には、フィーシャーホルンから流れ出ている下グリンデルヴァルト氷河が姿を見せています。

　予報では、天候は好転の兆しをみせているとのことですが、これを書いている６月11日朝。雲は低い谷間までを覆い、およそ何も見えない状態です。果たして、晴れてくれるでしょうか。