スイスその後（モルゲンロート）

02/7/11

スイス便り　２４

モルゲンロートの訂正

　スイスからさんざん画像通信を送りましたから、もうスイスのことは止めにしたいのですが、書いたことで修正しておかなければ、と思っていることがあります。それは、マッターホルンのモルゲンロートのことです。

　スイス便り１９の「何もしない日」に、こう書きました。

　本日の画像は、２，３日前写した、マッターホルンのモルゲンロートです。朝のほのかな明るみのなか、山全体が姿を見せます。山頂から徐々に日が当たってくるにつれて、モルゲンロートは山頂から拡がるのかと思っていました。ところが、この画像で赤く染まっている部分が、明るさを増すとともに、赤みを帯び、数分だけ、このように輝いたあと、赤みが白々とした日射しに変わっていくのでした。季節により日の射してくる方向が変わること（東側のどの山越しに日が射すか）、その日の天候により東天の雲の様子が違うこと、などから毎日違う明け方をするようです。

　ツェルマット最後の朝は、雲一つない快晴でした。その日見たモルゲンロートは、書いたことの間違いを教えてくれました。完璧なモルゲンロートは、やはり、赤く照らされた部分が、山頂の一点から広がっていくものでした。その画像を、時間を追ってご覧ください。宿のベランダから、望遠レンズ（180mm、ニコンD1xカメラの場合、35mmカメラでの２７０mm相当）で撮ったものです。左上から、時計回りに進みます。時刻を書き込んであります。

　時刻をごらんになれば、モルゲンロートを見ることができる時間は、ほんのわずかであることがお分かりいただけるでしょう。あたりはまだうす暗い闇に包まれている中で、マッターホルンだけが、このように赤い光で輝いているのは、神秘的とも呼べる風景でした。赤色の残る最後の段階での姿を、少し大きな画像でごらんください。このあとは、赤みが白んでいって、ふつうの日射しに照らされた姿になります。東壁（向かって左の壁）は、この二日ほど前に降った雪で、それ以前より白くなっています。