02/6/3

　グリンデルヴァルトで泊まっているところを、とりあえず山荘と呼びましたが、「ホリデイ・フラット」というのが、一般的ないい方です。リゾート地にある貸しアパートで、週単位で借りるのが原則です。土曜日が切り替えの日で、土曜日午後に入り、土曜日午前中に明けわたすことになります。部屋だけ借りるのですから、当然食事は自分で賄うことになります。ところが土曜日に移動を終えて、さて、生活を始めようとすると、スーパーをはじめ、食料品を買うことができる店は全部閉まっています。土曜午後早めから日曜日いっぱいは、ほとんどの店が閉まっています。

　そんなことを予想して、日本から持ってきたインスタントラーメンやレトルト食品で、２日間をなんとか食いつなぎ、やっと今日月曜日に、食料品を買い込み、普通の生活が始まりました。

　山荘がある場所は、グリンデルヴァルトの商店街から１５分くらいの距離で、閑静で眺望絶好という点では、とてもいいのですが、いざ買い物となると、買ったものを担いで、急な坂道を登ってこなければなりません。高低差はどのくらいあるのでしょうか。数十メートルというところでしょうが、百メートルくらいあるような感じがします。「生活必需品」のワインやビールを数日分、他に肉や野菜、パンなどを２人でリュックに入れて担ぎ、息を切らし、休み休み帰って来ました。

　この苦労を慰めてくれるのは、その道すじの風景の素晴らしさと、咲き乱れている野の花です。風景の方をお目にかけましょう。

　村はずれにある教会とその近くの民家やホテルです。その向こうには、アイガー北壁の森林限界線が見えています。

　今日は、この買い物を終えたら、後ろの山へロープウェイで登り、そこからハイキングをしよう、と思っていたのでしたが、生憎午後から雨。昨日までは好天でしたが、今日は不安定な天気に変わりました。午後は、うちにいてみやは洗濯、私は雨に煙る山を眺めて過ごしました。山の天気は変わりやすいですね。夕方には、晴れてきました。みやの手料理の夕食を、テラスの食卓で食べました。雲が動き、日は落ちていく。それとともに変わり行く山の眺め。美味しいワイン。至福の時間でした。