コルドバは、イスラム支配下でもっとも栄えた町である。その時代の巨大なモスクは、その大部分を残したまま、カトリックの大聖堂に改造され、メスキータと呼ばれる。

ローマ橋とメスキータ遠景.　コルドバへ南からアプローチすると、グアダルキビル川を渡るローマ橋と、その向こうにメスキータという、この眺望でコルドバの街を一望することになる。メスキータの外観は、醜悪である。低層ながら拡がりを持つモスクのど真ん中に、高さを求めるカトリック寺院が割り込むという、その折衷の不格好さをさらけ出している。

メスキータのモスク部分．このモスクは比類のないものである。赤と白の石を大胆に繰り返すアーチの重なり。それを支える無数の大理石の柱。まるで石の林に彷徨いこんだような気がする。薄暗い。日本での意味とは違うが、「幽玄」と表現したくなる空間である。「スペインへの旅」の表紙ページに載せたエッシャーの絵もごらんください。

アンダルシアの白い町．グラナダからコルドバへの道筋で見かけた、名も知らぬ町。丘の上に、白い家々が密集し、アンダルシアの青空の下、美しい姿を見せていた。

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