BlackForest(07/06,Aquarian）

ニッコールクラブ東京デジタル支部

リレーギャラリー

『Black Forest: Nature, Towns and People』

Photos by　Masashi Iizumi

2006年4月から５月にかけて、約１ヶ月ドイツ西南部の黒い森と呼ばれる地方に滞在した。豊かな自然に囲まれ、中世以来のおもむきを残す町が点在し、人々はゆったりと暮らしている。その様子をアルバムにまとめてみた。その折に世話になった人にも見てもらうために、今回は英語のタイトル、キャプションをつける。

　These are a collection of photos Masashi Iizumi took during the stay at Town Etzenrot near Ettlingen for one month from the middle of April, 2007.

１. A view of Black Forest hills and forest
(near Schliffkopf on the Schawarzwald Hochstrasse)

黒い森といっても、うっそうとした森に全面覆われているわけではない。
千メートル足らずの丘陵がうねうねと連なり、山には松、樅などの針葉樹林、
低地には牧草地や村落が点在する。

滞在先から車で２，３０分のところにあるハイキングコースから、近くの村落を見る。

黒い森地方には、ハイキング、サイクリング、乗馬など、
それぞれに専用のコースが無数にあり、自然を楽しむ人々が多い。

滞在先から数分も歩くと、こんな野原に出る。天候にも恵まれ、毎朝出かけた。

滞在した頃は、日没が８時半頃、滞在先の２階のテラスで夕食をとりながら、入り日を眺めることが多かった。この画像もそこから撮った。

７．Silhouette of a tree
(from a roof-top terrace at a friend's house in Ettlingen)

知り合いになった建築家の家に何度か招かれた。屋上庭園のあるモダンな家。そこで見た日没風景。

リンゴの花の開花時期だった。どこもかしこもリンゴの花が満開だったが、
この場所では、リンゴの枝をこのように平面に仕立てているのがめずらしかった。

滞在した町の夕暮れ風景。滞在した家の窓から北の方向を撮った。

10．House where Herman Hesse was born and neighborhood
(Calw, Hesse's house is the right-most one)

ヘルマン・ヘッセは黒い森地方のカルフという町に生まれ育った。
町の中心のマルクト広場に面し、市庁舎に向かいあってその家（画面で一番右の家）があった。
今は、一階は高級洋装店になっている。広場では午前中は露店市が立つ。

この地方の古くからの家は、前の画像にも見られるように、
大屋根の木造切妻・妻入構造で、たいてい３，４階建てである。
上階は、屋根裏部屋である。
木造の木組みを外にむき出しにして、その美しさを見せているのが好ましい。

1612年に建てられ、ずっとこの場所にあった古い農家。
大家族が使用人とともに住み、家畜も家の中で飼う。
雪深い地方ゆえだろう。３，４階は農作業の場所になっている。
裏の斜面から、収穫物を直接馬車で持ち込み、脱穀などの作業を行う。
この家を中心にこの地方の古い農家が移設され、野外博物館になっている。

同じ博物館の別の家の外壁に取り付けられていた十字架。
いかにも民俗的。十字架を囲んで彼らの生活にとって大事なものを飾っている。
主人だか領主様だかの騎馬像が十字架を見守る。

滞在した村落の近くの大きな町は、ローマ時代に起源を持つ中世都市Ettlingen.
その旧市街に建つヨハネ教会はバロック風の装飾を持つ美しい教会だ。
近くには商店街があり、人々で賑わう。

黒い森には温泉地があちこちにある。バーデン・バーデンがよく知られているが、
ほかにも何カ所か温泉保養地がある。その一つがここの町。
新しい教会の前の広場に人々がくつろいでいる。

この町が滞在先に一番近い温泉地。
12世紀創設という古い修道院の出口の向こうに旧市街の商店街がある。
雨の日とあって、人々はちらほらとしかいない。

滞在したEtzenrotの村はずれには、森が迫り、その中には馬に乗って散策する人のためのルートがある。
犬を伴った騎乗のこの人は、その道を辿り森の中へ入っていった。

古い街エトリンゲンを流れるアルプ川の畔で、熱心に読書する少年。
そのそばには、少年の彫像が建っている。
彫像の名は「漁師の少年」、手に捕らえた魚を持っている。